むし歯予防に使われるフッ化物。家庭用の歯磨剤にも多くの商品に添加されています。歯科医院では定期健診や歯のケアの際に歯面に塗布します。歯科医院で使われるフッ化物と家庭用のフッ化物に違いはあるのでしょうか?
歯科医院と家庭用の違いは濃度にあります。市販の歯磨剤に含まれるフッ化物濃度は、1%までと法律で上限が定められています。一方で、歯科医院で塗布するフッ化物は歯科医院や歯科衛生士の管理のもとで塗布するため、濃度の高いものを使用することができます。
濃度が違えばむし歯予防に対する効果も違います。
フッ化物のむし歯予防効果をおさらいすると、
①再石灰化促進:むし歯原因菌の出す酸の作用で歯から溶け出したカルシウムやリンの再沈着を促進します。
②歯質強化:歯の表面のエナメル質を強くして、酸に溶けにくい歯にします。
③細菌の酸産生抑制:歯ブラシで落としきれなかったプラーク(歯垢)中のむし歯原因菌の働きを弱め、酸がつくられるのを抑えます。
 特に、濃度の高いフッ化物は、歯質強化に有効とされています。
定期的に歯科医院でフッ化物の塗布をすることで強い歯を作ることができます。毎日のブラッシングに加え、家庭ではフッ化物配合の歯磨剤を使ってむし歯になりにくいお口の中の状態を保つことが大切ですね。