『養生訓』をご存じでしょうか。江戸時代に儒学者の貝原益軒によって書かれた健康な生活の暮らし方についての解説で有名ですが、今年出版された新訳が話題です。歯や口にまつわる健康法についても書かれているそうです。
 さて、治療が終われば、痛くなったり、詰め物がはずれたりしない限り、ついつい歯科医院から足が遠のいてしまいがち。治療した歯が長持ちするかどうかは、ひとえに日頃の口腔ケアと歯科医院でのメンテナンス次第です。口腔ケアとメンテナンスこそ、現代の歯養生といえるでしょう。
 お口の中を清潔に保つためには、丁寧な歯磨きに加えて、デンタルフロスや歯間ブラシなどで、清掃することが効果的です。
 また、無意識の生活習慣TCH(歯列接触癖)で上下の歯を”接続的に”接触させる癖や、噛み合わせ異常、噛みしめ、くいしばりなどの癖があれば、歯に負担をかけてしまいます。噛み合わせの調整やマウスピースなどで、歯を守ることも大切です。
 100歳まで自分の歯を残す方法として、東京医科大学の木野孔司准教授は次の4つを提唱しています―①歯と歯の接触時間を減らす②砂糖を極力とらない③1日1回正しいはみがきをする④3か月に1回歯周病管理のために歯科医院に通う―。
 むし歯や歯周病の再発を防ぎ、修復物を長持ちさせて、いつまでも楽しく食事ができるように頑張りましょう。気軽にメンテナンスにお越しください。