大人でも、歯ぐきが下がることで、歯の根の部分が露出しいてくると、そこにむし歯ができやすくなります。このむし歯を「根面う蝕」といい、年をとるごとに増加する傾向があります。
 根面う蝕は発見しにくく、治療が難しいため、歯を失うことにもなりかねません。根面をはじめ、つめものの周辺や矯正治療中の歯、唾液分泌の低下したお口の中(高齢者や生活習慣病の患者さんが服用している薬剤には、副作用として唾液分泌を抑制する薬剤が多くあります)など、大人もむし歯の危険があります。
 むし歯が進行して歯の表面に穴があいてしまったら元には戻りません。ごく初期のむし歯ならフッ化物配合歯磨剤などのフッ化物の積極的な応用を適切なブラッシングと食事コントロールなどと組み合わせることによって、進行を停止させ、修復することができます。歯科医院でフッ化物歯面塗布をしてもらうことは、非常に有効です。