◇知識の多さより価値観
 「デンタルIQ」という言葉をご存知でしょうか。IQという言葉からは、歯に関する知識の多さをイメージされるかもしれません。正しくは、その人の“歯とお口の健康への関心・意識の度合い”を示す言葉です。別の言い方にすると、「歯と口の健康についてどのくらい大切に考えているか」ということになります。 
 自分の歯を大切だと考えて、実践する人が「デンタルIQの高い人」です。たとえ、歯科医師や歯科衛生士といった歯科の知識が多い専門職であっても、自分の歯を大切に考えていなくて、歯を大切にする習慣がないとすれば、デンタルIQは低いといえます。
 歯を健康に保つには、生活習慣や日々のセルフケアが重要です。そのためには、歯の健康に関する知識も必要ですが、歯は重要であるという「価値観」を持つことが大前提になるのです。
 生涯、自分の歯で食べることを目指す「8020運動」は、健康長寿における歯の役割を理解し、歯を大切にするという価値観を持つことが出発点になります。