歯周病予防でリスク軽減を
 ご家族やお知り合いにコロナ禍で歯科医院の受診を控えている方はいませんか。お口の健康状態が悪化すると、ウイルスに感染しやすくなることが指摘されています。お口の中を清潔にして、感染症に強い体を作ってください。
❖粘膜から侵入
 厚労省の調査では成人の約7~8割が歯周病と報告されており、お口には歯周病菌が潜んでいます。この歯周病菌を抑えることが感染予防のキーポイントになります。 ウイルス感染は主に鼻や口、目から起こります。この時、歯周病菌や細菌が排泄する毒素によって口腔内の粘膜が傷つけられていると、ウイルスが粘膜細胞に侵入しやすくなり、発症リスクを高めてしまいます。そのため、歯周病を予防・治療することが感染症に大きな効果を発揮します。口腔ケアとインフルエンザの関連を調べた研究では、口腔ケアを受けた高齢者の発症率は10分の1に激減したと報告されています。
❖重症化を防ぐ
 高齢になれば飲み込む機能が低下し、誤嚥性肺炎(細菌性肺炎)のリスクも高まります。新型コロナによる重症化事例の多くは、ウイルス性肺炎と細菌性肺炎を二重に引き起こしていると言われています。 
 歯科医院での定期的な口腔ケアでお口の細菌を減らせば、重症化のリスクを下げられる可能性があります。