枚方市の「宮園歯科日記」

大阪 枚方市の歯医者さん 【宮園歯科医院】 より、 「当院のお知らせ」 と 「歯科の耳寄り情報」 をお届けします。

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2021年05月

 いつまでも自分の歯で食事を楽しもう――。80歳になっても20本以上の歯を維持する「8020」運動が始まったのは1989年。当時、8020達成率はわずか7%で、歯の本数は平均4~5本しかありませんでした。
 ◇高齢者のむし歯
 以来30年余り、歯科医療関係者による啓発・予防活動や、一人ひとりのお口の健康に対する意識の高まりを受け、達成率は着実に上昇。今では何と51.2%と半数を超える人が「8020」という大きな成果を挙げています(厚労省、2017年歯科疾患実態調査)。
 しかし、達成者が増加したからと言って喜んでばかりはいられません。実は高齢者の「むし歯」が増えつつあるのです。
 ◇歯の根元に多発
 特に多いのが歯の根元にできるむし歯です。加齢や歯周病によって歯肉が下がり、歯の根元の部分がむき出しになることで発症します。
 根元のむし歯がやっかいなのは、重症化しやすいことです。歯は硬いエナメル質と象牙質で覆われていますが、根元にはエナメル質がありません。象牙質は軟らかく、酸に弱いため、むし歯がどんどん進行してしまうのです。
 ◇健康寿命の延伸
 高齢になれば、唾液が減少したり、エナメル質がすり減ったりして、むし歯のリスクが高まります。歯の根元は、ブラッシングで歯垢(プラーク)を取り除くことが難しい部位です。予防には歯科医院で定期的にお口の状態をチェックし、クリーニングしてもらうことが大切です。
 自分の歯でしっかり噛んで食べることは、健康寿命の延伸にもつながります。「8020」から「9020」「10020」へ健康長寿をめざしましょう!

 むし歯菌は砂糖をエサにして酸を作り、歯を溶かします。キシリトールやソルビトール、マルチトールなどの代用甘味料はエサにならないため、むし歯のリスクを減らすことが期待できます。
  しかし、いくら虫歯を予防するといっても、食事に含まれる砂糖をすべて代用甘味料で賄うのは現実的ではありません。できることは間食を代用甘味料のお菓子に切り替えるぐらいであり、予防効果は限定的と言えます。
  また、代用甘味料の商品でも、砂糖の含有量が0.5%0未満なら「ノンシュガー」「シュガーレス」「無糖」などと表示することができます。砂糖が微量でも含まれればむし歯菌のエサになってしまいます。
  代用甘味料の効果を過信せず、適切に活用してくださいね。

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