2020年12月07日 歯周病予防で感染症対策 冬は空気が乾燥し、新型コロナやインフルエンザなどのウイルス感染症が流行しやすい季節です。感染拡大の防止には「三密」(密集・密閉・密接)の回避や手洗い・うがいの徹底、マスクの着用が大切ですが、もう一つ実践してもらいたいことがあります。それは……ずばり、「口腔ケア」です。 ◇ウイルスが侵入 なぜ口腔ケアが感染予防につながるのか。それはウイルスが体内に入り込む仕組みにあります。 ウイルスは生物の細胞内で増殖します。喉や鼻の粘膜に到達すると、粘膜細胞に入るための「鍵穴」(受容体)を探し出し、扉を開けるようにして侵入。細胞内のタンパク質やエネルギーを使って増殖します。 通常、粘膜細胞は粘液で覆われており、ウイルスの侵入を防御しています。口腔内が不潔になり歯周病が増殖すると、歯周病菌が出す毒素(タンパク質分解酵素)によって粘液が溶かされます。すると粘膜細胞の鍵穴が丸見えになり、ウイルスが侵入しやすくなってしまいます。 ◇リスクが激減 つまり、感染を防ぐには口腔内を清潔にし、歯周病菌を抑えることがポイントというわけです。そのためには歯みがきとともに、歯科医院でプラーク(歯垢)を除去することが欠かせません。 口腔ケアとインフルエンザの関連を調べた研究では、介護施設で歯科衛生士による口腔ケアを実施したグループと、普段の歯みがきだけのグループを比較。口腔ケアを受けたグループはインフルエンザの発症率が10分の1に激減したと報告されています。 ウイルス感染症を乗り越えるために、お口の中をきれいに保ち、ウイルスを寄せ付けない体をつくってくださいね。
2020年12月01日 虫歯がなく食事をよく噛む子供は学力が高いってホント? 近年の学校歯科医もびっくり。あまり口腔内の環境が清潔でない子供よりも、清潔で歯周病の無い子供のほうが、成績が良い傾向にあるようです。噛むという行為は、脳への刺激になります。頭が冴えた状態になります。正しく噛むことによって、集中力・思考力・記憶力を高めることができます。しかし虫歯があると強く噛むことができないし、痛みを伴うことがあるので、集中力もなくなってしまうのです。噛むことは上あごと下あごを結んでいる筋肉だけを使った部分的な運動と思われがちですが、実は脳の血流や機能の促進を含めた全身運動でもあるのです。子どもの頃からしっかりと噛むことを身につけさせて健康で丈夫な体と心、勤勉で運動能力にたけた人間形成を願いたいものですが、子供は親の期待に添うために生まれてくる訳ではありません。こうした生活習慣を身につけさせれば、おのずとその後の人生が豊かになるのは・・・と思います。