枚方市の「宮園歯科日記」

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2019年09月

 「しっかり歯みがきしているのにむし歯になった」「家族みんなむし歯が多い」―。むし歯に“なりやすい”“なりにくい”に個人差があることが明らかになっています。唾液の量やむし歯細菌の多さ、食生活、ブラッシングなど、いくつもの要因がむし歯のできやすさに関係しています。
 むし歯の発症につながる危険な要因を「カリエス(う蝕)リスク」と呼びます。自分がどんなカリエスリスクを持っているのかを知ることで効果的にむし歯予防ができます。
 そもそも歯は、むし歯細菌の産出する酸や酸性の強い食品などによって歯の表面が溶かされる「脱灰」と、唾液の働きで修復される「再石灰化」を繰り返しています。脱灰が続いて再石灰化が追い付かなくなると、歯が修復不可能な損傷を受けてむし歯になってしまいます。それではカリエスリスクにはどのような要因があるのでしょうか。
 ◇カリエスリスクを高める要因
 ①むし歯菌が多い
  みがき残しが多い人は、むし歯菌が排出する酸が多くなり脱灰が進みます。
 ②砂糖や炭水化物の摂取量と頻度
  間食が多い人や、甘いものをよく食べる人はむし歯菌の酸産出を促し、脱灰が継続してしまいます。
 ③唾液量・質
  唾液には再石灰化作用と、細菌が産出する酸を中和・希釈作用、抗菌作用などがあります。唾液が少ないと歯を守る働きが十分にできません。
 その人の育った環境や現在置かれている状況、健康への意識の高さなども、間接的に影響を与えるカリエスリスクと考えられています。年齢によってもカリエスリスクは変化していくことも指摘されています。

 口の中のがんの約6割は舌にできますが、歯肉、頬の粘膜などにも発生します。喫煙や飲酒習慣、口腔衛生状態が悪い人はリスクが高まります。中高年の方は月1回のセルフチェックをお勧めします。
 セルフチェックでは唇や頬の内側、歯肉、舌全体を指で触れながら鏡で確認します。その際、①白い斑点や赤い斑点②盛り上がった出来物③治りにくい口内炎や出血しやすい傷――などの有無やしこりの有無をチェックしてください。
 また、顎の下や首の脇の腫れがあったり、飲み込む時に痛みがあったりする場合も注意が必要です。気になる部分があれば、早めにかかりつけの歯科医院を受診してください。(参考・日本口腔外科学会)

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