枚方市の「宮園歯科日記」

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カテゴリ: 口腔ケア

新型コロナ感染症を予防するため、マスク着用が日常になりました。自分の息がマスクにこもることで、口臭に気づく人が増えているそうです。
平安時代の絵巻物に・・・
口臭は古くから人々をなやましてきました。平安時代末期の絵巻物「病草紙」では、楊枝を使う女官とそのそばにいて着物で口を覆う二人の女官が描かれています。絵にはこんな説明書きがあります。「一人の美しい女にひかれる男たちが彼女に近づこうとしましたが、近づくと鼻をつまんで逃げてしまう。その理由は口臭が耐え難かったから」と。この絵の題名は、そのものずばり、「口臭の女」です。現代のように口腔ケアが知られておらず、ケアグッズもない時代でした。対処のしようがなかったのでしょう。
現在では口臭は、「生理的な口臭」、「病的口臭」、「飲食物・嗜好品による口臭」といったように原因が明らかになっています。
★誰にでもある口臭
生理的口臭は誰にでもあり、一日の中でも唾液の分泌量によって変化します。起床直後や空腹時、緊張した時、月経期間、更年期などに生じることがあります。
★治療が必要となる口臭
病的口臭の約90%以上は口の中に原因があります。歯周病、多量の舌苔の付着、唾液の減少、入れ歯の汚れなどです。まれに、副鼻腔炎や糖尿病など全身疾患による病的口臭もあります。
★飲食物・嗜好品による口臭
ニンニクなどを食べた後に口臭は、食べカスが匂う場合と、体内で吸収された、におい物質が血液を経て肺で呼気になる場合があります。時間が経過すれば解消します。他にも、口臭がないのに、過度に気にしすぎる「心理的口臭」という精神的な症状があります。






 病的な口臭の主な原因は歯周病やむし歯、舌の汚れにあります。口のなかをきれいに保つため、毎食後の歯みがきは口臭予防の基本と言えます。
 注意したいのは、磨き残した歯垢(プラーク)です。においの元になるため、ブラッシングでしっかりと取り除きましょう。特に、▽歯と歯の間▽歯と歯肉の境目▽上顎の奥歯の頬側▽下顎の奥歯の舌側――はプラークがたまりやすい場所です。歯ブラシの毛先をあてるイメージで丁寧に磨いてください。デンタルフロス(糸ようじ)も使用して取り除いてくださいね。
 舌に付着する白い「舌苔」も汚れの一つ。軟らかい歯ブラシや舌ブラシで奥から手間にやさしく磨いてください。舌は傷つきやすいため、磨きすぎにはくれぐれも用心してください。
 口臭予防にはセルフケアとともに、プロケアも大切です。歯科医院では一人ひとりに合った歯みがき指導や、歯みがきでは落とせないプラーク・歯石を除去しますので、定期的にプロケアを受けましょう。
 また、口臭の原因が歯周病やむし歯の場合、治療しなければ解消できません。早期発見・早期治療のためにも、お口のにおいが気になる方は受診をお勧めします。

 唾液は口の働きにとって欠かすことのできない存在です。唾液の分泌量が少なくなり、口の中が乾燥状態になることを「ドライマウス」といい、むし歯や口臭などトラブルの原因にもなります。唾液の役割とドライマウスの兆候について紹介します。
 唾液には消化を助けたり、口の中を清潔にしたり、歯を守ったりといくつもの作用があります。
 ・「消化・嚥下作用」:お米やパンなどの炭水化物を分解し消化を助けます。パサパサしたものを飲み込みやすくします。
 ・「湿潤・保護作用」:舌や頬などの軟らかい部分と歯といった硬い部分とが接触する際の潤滑剤の働きをして、軟らかい部分が傷つくのを防いでいます。
 ・「洗浄・抗菌作用」:歯についた食べカスを洗い流したり、唾液に含まれる抗菌作用成分が有害な細菌の増殖を抑えます。 
 ・「緩衝作用」:酸性の食物やむし歯が出す酸によって、口のPHが酸性に傾いたとき、中性に戻す働きをします。
 ・「再石灰化作用」:歯の表面のエナメル質が食品やむし歯菌がつくる酸によって溶かされると、唾液に含まれるカルシウムやリンが、エナメル質を修復します。
 ドライマウスは、50歳以上で多くなり、日本では数百万人~数千万人いるといわれます。水をよく飲むようになった、今までと味が違う、口の中がネバネバする、入れ歯で歯ぐきが傷つく――などの症状があればドライマウスの可能性があります。歯科診療所や専門医療機関を受診してみてはいかがでしょうか。

 ドラッグストアや100円ショップで歯石を取る器具が売られているのを見かけますが、自分で使用すれば歯や歯肉を傷つけ、出血や腫れを引き起こす危険があります。
 たとえ歯石が取れたとしても、きれいに除去できるわけではありません。取り切れずに歯の表面がデコボコした状態だとすぐに付着してしまうため、完全に除去した後に歯の表面を磨く必要があります。また、歯肉の下や奥歯などの歯石は自分では取り除けません。
 歯石をきれいに除去するには、歯科医院専用の機器とプロの“腕”が必要です。歯石が付着したままではむし歯や歯周病、口臭の原因になりますので、定期的に歯科医院できれいにしてもらってくださいね。

 ◇「低栄養」とお口の関係
 高齢者の「低栄養」が問題になっています。低栄養とは、身体を動かすために必要なエネルギーや、筋肉を維持するためのタンパク質が不足している状態です。
 高齢者の「低栄養」は自立度を低下させ、最悪の場合寝たきりになってしまうこともあります。そして、この低栄養と口腔内の状態には関連があることがわかってきました。
 70歳以上の高齢者のうち、「噛めないものが多い」と答えた人のうち約33%が、「噛んで食べることができない」と答えた人では約63%が低栄養の傾向にあるという報告があります。
 ◇歯みがきとメンテナンス
 老後もいつまでも元気に過ごすためには、健康的な食事や運動を心がけるだけでなく、しっかり噛んで食べられる健康な歯を維持することがとても大切です。
 正しい歯みがき習慣を身につけることと、定期的にメンテナンスを受けてお口の健康管理を心がけることが、歯と全身の健康寿命を延ばすことにつながります。

 日本人の9割は口臭を気にしたことがある――。民間企業の意識調査(2019年)で、こんな結果が出ました。特に男性の「口の悩み」では、むし歯や歯の黄ばみなどを抑えて口臭が1位にランクインしており、大きな悩みの種になっています。
 口臭は多かれ少なかれ、誰にでもあるものです。例えば朝起きた時、口が少し臭うことはありませんか。これは睡眠中に唾液の分泌が減り、細菌が増えやすくなるからです。ニンニクやお酒を飲んだ後も臭いますよね。こうした生理的な口臭は時間が経てば収まります。
 問題になるのは、慢性的に強い臭いを発する病的な口臭です。胃や腸など内臓疾患が原因の場合もありますが、臭いの原因のほとんどは歯周病と言われています。歯周病は悪化すればするほど細菌が増殖し、強烈な臭いの元凶となります。
 でもご安心ください。歯周病はセルフケアと歯科受診で治療できます。つまり、ほとんどの口臭は抑えることができるのです。口臭が気になる方はぜひ受診してくださいね。

 歯みがきは、回数も質も重要です。食べたら歯を磨くことが基本です。しかし、毎食後きっちり歯を磨く時間を確保できない方が多いのではないでしょうか。
 そこで予防のためには最低でも1日1回、しっかりとプラークやバイオフィルムを除去することが大切です。むし歯や歯周病の原因となる細菌は就寝中に繁殖しやすいため、就寝前には丁寧に歯を磨き、1日の汚れを落としましょう。
 もちろん忙しい日中、短時間でも歯を磨くことは予防に役立ちます。特にフッ化物入りの歯磨き剤を使用している場合はフッ化物による効果が期待できます。時間の無い朝や昼にはざっくり磨き、夜には歯ブラシとフロスで1本1本丁寧に歯みがきするのはいかがでしょうか。

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