枚方市の「宮園歯科日記」

大阪 枚方市の歯医者さん 【宮園歯科医院】 より、 「当院のお知らせ」 と 「歯科の耳寄り情報」 をお届けします。

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カテゴリ: 予防歯科

 むし歯予防のために歯科医院でフッ素を塗ってもらったことはありますか?歯みがき剤にもフッ素が含まれますが、大きく異なるのはフッ素の濃度です。
 家庭で使う歯みがき剤の濃度は一番高いものでも1500ppm。歯科医院で使う薬は、なんと6倍の9000ppmです。濃度が上がるとむし歯予防の効果も上がりますが、高濃度のフッ素塗布は歯科医院でなければ受けられません。
 フッ素塗布は、生えたばかりの乳歯や永久歯を守るのに特に効果的。生えたての歯はやわらかく、むし歯になりやすいからです。
 大人でも、歯の根元の象牙質がむき出しになって起こるむし歯(根面う蝕)などには効果を発揮します。象牙質はエナメル質より軟らかいため、フッ素で表面を強化してむし歯を予防します。
 フッ素塗布は1回受けただけでは十分な効果を得られません。定期的に受けないと効果が下がりますので、年に数回は忘れずに受診してくださいね。

 むし歯の予防に「フッ素」が役立つことがよく知られるようになりました。 
 歯科で使われる場合、正式には「フッ化物」と呼ばれます。フッ化物の未利用はカリエスリスクの一つにもなるほど、その予防効果は明らかになっています。
 ◇むし歯の予防する3つの作用
 ①再石灰化を促進し歯を修復 
  歯の表面のエナメル質に付着したむし歯菌が作り出した酸によって歯からはカルシウムなどが溶けだします。フッ化物は唾液に含まれるカルシウムやリンなどの歯への再沈着を促します。 
 ②歯を強くする
  エナメル質を作るカルシウムと結びつくことで歯質を強くして、酸に溶けにくい歯にします。
 ③細菌の酸産生を押さえます
  ブラッシングで落とせなかったプラークに棲む、むし歯細菌の活動を抑えて、酸が作られるのを防ぎます。
 ◇利用方法
 ▽フッ化物配合歯みがき剤を使用することで、歯磨き中や歯みがき後に口の中に残ったフッ化物が歯の表面に作用します。
 ▽フッ化物洗口
  フッ化物洗口液で口をぶくぶくすすぐ方法です。一般の薬局でも高濃度の液の販売が認められるようになりました。
 ▽フッ化物塗布
  歯科医院などで高濃度のフッ化物を直接、歯に塗る方法です。年に数回行うと有効です。乳幼児の生えたての歯は未成熟でむし歯になりやすいため、特に効果的。

 歯みがきの後の歯磨剤はよくゆすいで吐き出す―。皆さん、そう習ってきたのではないでしょうか。しかし、世界で最もむし歯が少ないといわれる歯科先進国・スウェーデンでは、“口をゆすがない”歯みがき法が実践されています。
 スウェーデンの研究者らは1995年、「イエテボリ・テクニック」と呼ばれる新しい歯みがき法を発表しました。最大の特徴は歯をみがいた後、口をゆすがないこと。歯磨剤に含まれるフッ化物を洗い流さないようにして、フッ化物によるむし歯の予防効果を最大限生かします。
 研究では、イエテボリ式の歯みがき法は、通常の歯みがき法よりも40%以上、むし歯の予防効果が高いといわれています。
 【イエテボリ式歯みがき法】 
 1.フッ化物入り歯磨剤を2cmほど歯ブラシにつけ、歯全体に広げる 
 2.2~3分間みがく
 3.口の中の泡などを吐き出さず、10~15ml程度の少量の水を口に含み、まんべんなく泡がいきわたるよう、ブクブクしてから吐き出す
 4.その後、2時間は飲食をしない

 いつまでも健康なお口を維持するには、ライフステージごとの注意点を知り、口腔ケアに取り組むことが大切です。
 ◇妊娠期
 妊娠中は唾液の酸性が強くなるので、むし歯や歯肉の炎症になりやすい状態です。歯周病は低体重児出産や早産の原因になることがあるため、定期的に受診することが理想です。
 ◇乳幼児期
 もともと赤ちゃんの口の中にはむし歯菌はいません。赤ちゃんへのキスや食器の使い回しなどで家族から感染します。感染しても、それだけでむし歯にはなりません。おかしなどの食生活に気をつけきっちり歯みがきすることが大切です。
 ◇学童期
 乳歯から永久歯への生え変わりは、むし歯になりやすい時期です。正しい歯みがき習慣を身につけましょう。「どうせ生え変わるから」とむし歯の乳歯を放っておくと、歯並びが悪くなったり、永久歯のむし歯にも繋がるため、きっちりと治療することが大切です。
 ◇思春期
 ホルモンバランスや生活習慣の乱れにより、歯ぐきの腫れや出血など歯肉炎になりやすい時期です。外食や間食が増えるなど、むし歯のリスクも高まります。
 ◇成人期
 成人期以降で歯を失う主な理由は、歯周病です。成人の約7割が歯周病にかかっていると言われています。初期の段階では自覚症状に乏しく、気づかないうちに進行していることも。口腔ケアに取り組み、定期的に受診するようにしましょう。
 ◇中高年期
 40歳以降は歯を失う人が増えてきます。歯の本数は健康寿命にも大きく影響します。歯を失わないために、個々人の状態に応じた口腔ケアに取り組むことが必要です。8020(80歳で20本の歯)を目指して頑張りましょう。

 近年、歯科を受診するスタイルが変わってきました。昔は、歯にむし歯などのトラブルが起こったときに受診して、歯を修復・治療すれば、その後は何年も通院することがない患者さんも少なくありませんでした。
 人が歯を失う原因の9割が、歯科の2大疾患の「むし歯」と「歯周病」です。この2大疾患から歯を守るために、歯科診療所へ定期的に通い予防的処置をすることが重要になりました。
 歯科医院で予防的処置の中心的役割を担うのが国家資格である歯科衛生士です。現在、歯科衛生士として働いている人数は、約12万5千人。この25年で3倍近く増えましたが、まだ需要に追い付いていないといわれています。
  歯科衛生士の業務は大きく分けて3つあります。①歯石・プラーク除去など「口腔清掃」、②歯科診療の補助、③セルフケアや食生活をアドバイスする歯科保健指導――です。
 口腔の健康が全身の健康に影響を及ぼすことが知られるようになりました。生涯自分の歯でしっかり食べられることが重要です。歯科衛生士の出番です。

 「人生100年」時代と言われる時代。健康な歯を100年維持するためには毎日の歯みがきだけでは十分ではありません。3~4ヵ月ごとに歯科医院に受診し、プロフェッショナルケアを受けることが大切です。
 歯科医院では、歯にこびりついた歯石やプラークを専用の器具で除去し、クリーニングを行います。歯石は放置されたプラークが石灰化したもので、歯周病菌の温床です。歯ブラシでは取れないため、プロによるケアが必要です。
 ちなみに、3~4ヵ月ごとの受診をおすすめするのには理由があります。むし歯菌も歯周病菌も、クリーニング後3ヵ月弱でその繁殖力を取り戻すことがわかっています。細菌から歯を守るためには定期的な歯科医院でのケアが必要なのです。
 いつまでも自分の歯で美味しく食事を取りたい―。多くの方の願いだと思います。歯の健康寿命をのばすためにも、定期的な受診を心がけましょう。

 むし歯は、ばい菌の出す酸によって歯が溶ける病気ですが、酸性の強い食品などによって歯が溶ける場合を酸蝕症(エロージョン)と言います。
 昔、何かの間違いで水質が酸性になってしまったプールで練習をしていた水泳選手たちの歯が溶けた事例があり、スイマーズエロージョンなどと呼ばれたことがあったそうです。これは特殊な例ですが、食品やビタミンCなどのサプリメントによる酸蝕症も見かけます。
 食事後は口の中が酸性に傾くため、直後の歯みがきは歯を傷めるという説は根拠がはっきりしない様ですが、酸のきつい食品を食べた直後の歯みがきは控えた方が良さそうです。
 お茶や水で口の中の酸性度を下げることも予防になるでしょう。

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