食事や水などを飲み込むとき、「むせて苦しい」「飲み込みにくい」と感じたことはありませんか。 
 「むせ」など飲み込みづらさの原因は、持病や薬によるものなど様々ですが、その多くは、「飲み込む力」の低下にあります。 
 ◇老化は40代から
 ゴックンと飲み込むことを、「嚥下」といいます。普段、飲み込むときに「今から飲み込むぞ」と意識することはあまりありませんが、「飲み込む力」の低下は、40代から始まります。
 65歳以上の約半数、70歳以上のほぼ全員が、軽度の嚥下障害を抱えているといわれますが、自覚がないことが多く、見逃されがちです。自覚したときには、重度の嚥下障害まで悪化していて、回復が難しいことが少なくありません。
 嚥下障害は、栄養状態の悪化や誤嚥性肺炎を引き起こすなど医学的リスクを高めます。それだけでなく、食べる楽しみを失い、生活の質を下げることにつながります。
 ◇早めの予防がカギ
 嚥下障害は、訓練で悪化を防ぐことができます。訓練の効果がしっかりと現れるように、早めの予防を心がけ、「飲み込む力」を維持することが大切です。
 かかりつけの歯医者さんに相談し、治療が必要であれば、口の動きをよくするトレーニングや、筋肉がスムーズに動くようにするマッサージなどを指導してもらいましょう。