枚方市の「宮園歯科日記」

大阪 枚方市の歯医者さん 【宮園歯科医院】 より、 「当院のお知らせ」 と 「歯科の耳寄り情報」 をお届けします。

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 舌の粘膜や皮膚には異常がないのにも関わらず、「ヒリヒリする」「焼けるような・火傷したような痛みがする」「痺れるような感覚がする」が続く――。原因不明のこうした舌の痛みは「舌痛症」と呼ばれています。
 痛みを感じる部分は、舌の先や脇、縁など人によってまちまちですが、日によって痛む場所が変わることも。痛みは安静時に憎悪しますが、会話中や食事中など、何かに集中しているときは痛みを忘れてしまいます。睡眠中も症状は出ません。
 舌痛症は、1日2時間以上にわたって反復する痛みが3カ月以上持続していて、口中に痛みを生じる他の疾患をすべて除外した後に「残り物」の痛みにつけられる病名です。
 日本では約100~300万人に発症するといわれ、更年期以降の女性に多く見られます。精神的、ホルモンバランスなど複合的な要因が背景にあると考えられていて、歯科や口腔外科で治療することは難しいのが現状です。

 食事の時の噛む回数の目安は一口につき30回と言われています。(厚労省『噛ミング30』)。しっかり噛んで食べれば、お口の周りの筋肉や骨の正常な発達を促すことができます。また、食物を口の中で細かく砕くことで、胃や腸で消化・吸収しやすくなります。
 しかし、現代の食事はラーメンやパスタ、カレーライス、ハンバーグなど、やわらかくて飲み込みやすいメニューが子どもに人気です。「しっかり噛みなさい」と言われても、そもそも一口30回噛むことが難しい場合が少なくありません。お口の機能を鍛えるには“受難の時代”とも言えるでしょう。
 そんな時は食材や調理法に気を付けてみてはいかがでしょうか。例えば、▽食材は大きめに切る▽根菜を多用する▽歯ごたえが残るよう火を通しすぎないようにする――など、工夫次第で噛む回数を増やすことができます。
 テレビやスマホを見ながらの“ながら食べ”も噛む回数が少なくなる要因の一つです。できる限り食事に集中し、味わって食べてくださいね。

 唾液は口の働きにとって欠かすことのできない存在です。唾液の分泌量が少なくなり、口の中が乾燥状態になることを「ドライマウス」といい、むし歯や口臭などトラブルの原因にもなります。唾液の役割とドライマウスの兆候について紹介します。
 唾液には消化を助けたり、口の中を清潔にしたり、歯を守ったりといくつもの作用があります。
 ・「消化・嚥下作用」:お米やパンなどの炭水化物を分解し消化を助けます。パサパサしたものを飲み込みやすくします。
 ・「湿潤・保護作用」:舌や頬などの軟らかい部分と歯といった硬い部分とが接触する際の潤滑剤の働きをして、軟らかい部分が傷つくのを防いでいます。
 ・「洗浄・抗菌作用」:歯についた食べカスを洗い流したり、唾液に含まれる抗菌作用成分が有害な細菌の増殖を抑えます。 
 ・「緩衝作用」:酸性の食物やむし歯が出す酸によって、口のPHが酸性に傾いたとき、中性に戻す働きをします。
 ・「再石灰化作用」:歯の表面のエナメル質が食品やむし歯菌がつくる酸によって溶かされると、唾液に含まれるカルシウムやリンが、エナメル質を修復します。
 ドライマウスは、50歳以上で多くなり、日本では数百万人~数千万人いるといわれます。水をよく飲むようになった、今までと味が違う、口の中がネバネバする、入れ歯で歯ぐきが傷つく――などの症状があればドライマウスの可能性があります。歯科診療所や専門医療機関を受診してみてはいかがでしょうか。

 食事や水などを飲み込むとき、「むせて苦しい」「飲み込みにくい」と感じたことはありませんか。 
 「むせ」など飲み込みづらさの原因は、持病や薬によるものなど様々ですが、その多くは、「飲み込む力」の低下にあります。 
 ◇老化は40代から
 ゴックンと飲み込むことを、「嚥下」といいます。普段、飲み込むときに「今から飲み込むぞ」と意識することはあまりありませんが、「飲み込む力」の低下は、40代から始まります。
 65歳以上の約半数、70歳以上のほぼ全員が、軽度の嚥下障害を抱えているといわれますが、自覚がないことが多く、見逃されがちです。自覚したときには、重度の嚥下障害まで悪化していて、回復が難しいことが少なくありません。
 嚥下障害は、栄養状態の悪化や誤嚥性肺炎を引き起こすなど医学的リスクを高めます。それだけでなく、食べる楽しみを失い、生活の質を下げることにつながります。
 ◇早めの予防がカギ
 嚥下障害は、訓練で悪化を防ぐことができます。訓練の効果がしっかりと現れるように、早めの予防を心がけ、「飲み込む力」を維持することが大切です。
 かかりつけの歯医者さんに相談し、治療が必要であれば、口の動きをよくするトレーニングや、筋肉がスムーズに動くようにするマッサージなどを指導してもらいましょう。

 感染を恐れて受診を手控えた結果、歯周病が悪化し抜歯に――。新型コロナウイルスへの感染不安から歯科受診を手控え、症状を重症化させてしまうという深刻な状況が生まれています。 
 大阪府歯科保険医協会が6月に実施した調査では、受診を手控えた結果、急性症状で来院した患者が「いた」と約7割の歯科医院が回答しました。むし歯が進行し歯髄炎になるなど強い痛みに耐えかねて受診する事例が数多く寄せられています。
 急性症状以外にもかぶせ物や入れ歯などの補綴物が外れたり、壊れたりしても受診せずに過ごした患者さんの事例も報告されています。また調査では、受診手控えによって必要な処置や治療ができなかったことが「あった」と回答した歯科医院も約7割に上ります。むし歯や歯周病の治療だけでなく、義歯の作成、抜歯、定期健診など、角な受診手控えによりあらゆる治療を中止・延期せざるを得なかった実情が明らかになっています。
 自己判断で受診を控えることは重症化につながることが懸念されます。コロナ禍においても、かかりつけの先生に相談し適切に受診することが大切です。

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