枚方市の「宮園歯科日記」

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2014年11月

 学童期は、乳歯から永久歯に生え変わる時期で、12歳頃までに永久歯28本がほぼ生えそろいます。
 学童期には歯や骨を作るためのカルシウム、骨の材料となるタンパク質、カルシウムの吸収を助けるビタミンDなどの栄養素が欠かせません。
 カルシウムが豊富な食品として、牛乳・乳製品、納豆・豆腐などの大豆製品、魚介類ではワカサギやイワシ、サクラエビ、野菜では小松菜、チンゲンサイ、モロヘイヤなどがあります。ゴマやヒジキ、切り干し大根といった伝統食品にも豊富に含まれています。ビタミンDはサンマ・サバ・ブリ・シイタケ・マイタケなどに豊富です。
 栄養面に加え、「早寝、早起き、朝ご飯」や「よく噛んで食べること」、「家族そろっての食事」は豊かな食生活には大切です。
 お手入れも重要です。歯が抜け変るため、歯並びが凸凹し、歯みがきが難しい上、生えたばかりの永久歯は未成熟でもっともむし歯になりやすい時期です。8~9歳頃までは、保護者の仕上げ磨きも大切です。
 

 「周術期」という言葉を耳にしたことはありませんか?医学用語で手術前・手術中・手術後の期間のことを指します。いま、この周術期の口腔ケアが早期回復・早期退院につながるとして注目を集めています。
 口の中には数千億個の細菌が生息していると言われています。歯の間や歯と歯ぐきのすき間などに付いている歯垢は細菌のかたまりで、うがいや簡単なブラッシングだけでは取り除くことはできません。口の中を清潔にしないまま入院し、手術すればどのようなリスクがあるのでしょうか?
 術前・術後で抵抗力が弱った状態では、口の中の細菌が肺に入って炎症を起こす誤嚥性肺炎の危険が高まります。歯周病による合併症のリスクも見過ごせません。歯周病菌が血液内に入ると、糖尿病を悪化させたり、心内膜炎を引き起こすリスクが高まります。他にも、細菌が血液を通じてあらゆる臓器に入り込み、感染症を招くこともあります。抗がん剤治療では、副作用で口の中の感染症や粘膜炎を発症するケースが少なくありません。
 そこで、周術期の口腔ケアです。入院前や入院中に歯科医師や歯科衛生士による専門的なクリーニングで口の中を清潔にすれば、感染症のリスクを抑えることができます。また、ブラッシングや入れ歯の清掃方法などのセルフケアを身に付ければ、入院中や退院後も快適に過ごすことができます。
 静岡県立静岡がんセンターの調査では、鼻や口、のどなどの頭頚部がん患者に口腔ケアを実施したところ、口腔内の合併症を発症した人は64%から16%に減少。口から食事を摂取できるようになった日数は、平均で術後40.2日から10.6日に短縮したことが報告されています。
 食べ物を取り入れる口は、「命の入り口」と言いますが、「病気の入り口」にもさせないことが大切です。口腔ケアで感染症のリスクを減らし、身体の回復を早めることができれば、早期退院につながります。
 入院前には、歯科医院で専門的な口腔ケアをお勧めします。

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