枚方市の「宮園歯科日記」

大阪 枚方市の歯医者さん 【宮園歯科医院】 より、 「当院のお知らせ」 と 「歯科の耳寄り情報」 をお届けします。

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2014年05月

 子どもの歯ブラシは歯並びや口の大きさ、歯肉の健康状態に合わせてブラシの大きさや毛の硬さを選ぶことがポイントです。
 大きさは、口の中で操作しやすいように小型のものが適しています。幼児期には親が仕上げ磨きをすることが多いので、親がペングリップ(鉛筆の持ち方)で持ちやすい歯ブラシを選ぶのが基本です。子どもが自分で磨く用には子どもが持ちやすい太さを選びます。ブラシ部分の大きさは乳臼歯1.5本分前後のものがよいでしょう。
 学童期になると自分でほとんど磨けるようになります。幼児期同様に子どもがもちやすいものにします。ブラシ部分は口の大きさに比例して大きくし、乳臼歯2本分以内のものを。毛は歯肉の状態が健康であれば、「ふつう」の硬さを選びます。
 歯ブラシの持ち手は様々な形のものが市販されていますが、ストレートで握りやすいものが無難です。持ち手の断面が円形に近い棒状のものはブラッシングすると回転してしまいやすいです。
 乳歯の生え変わり期用として乳歯と永久歯が入り交じった凹凸の歯並び用になった形のものも売られています。
 

 最近CMなどで耳にする事がありますが、成人の8割以上は歯周病かその予備軍です。歯周病は歯を支える骨を溶かす病気ですが、口の中だけにとどまらず、体の様々な場所で病気を引き起こしたり悪化させたりします。例えば、心臓病や動脈硬化、誤嚥性肺炎、早期低体重児の原因として深く関係していることが解っています。また、糖尿病の悪化と歯周病の進行に強い相関関係があります。これは、歯周病菌が気道や血液を介して肺や全身に運ばれるためおこります。2011年に肺炎が死亡原因第3位になりましたが、肺炎の多くは誤嚥性肺炎です。歯周病は単に口の中の問題ではなく、全身の健康と大きく関わる病気でもありますので、積極的に治療しましょう。

 生涯、自分の歯で食べる楽しみを味わえるように、80歳で20本歯を残すことを目指す「8020(ハチマルニイマル)」運動は、一般市民の間でも広く知られているようです。ところが、「カミング30(噛ミング30)」運動をご存知の方はまだまだ少ないようです。
 「噛ミング30」運動とは、歯科保健の分野から食育を推進するためのキャッチフレーズです。ひとくち30回以上噛むことを目標として、より健康な生活を目指すものです。
 その名の由来は、赤ちゃんの離乳食の望ましい硬さが研究されるなかで、大人が20~30回咀嚼した硬さを適当とする結果から、30回と決めたことによるそうです。31回は良くて29回では不十分ということはないわけです。
 ハンバーガーなどのあまり噛まずに飲み込めるファーストフードを子どもたちが好むようになり、食生活が大きく変化しています。こうした食事は、日本の伝統食に比べて、早食いや過食になりやすく、肥満をまねく原因とも言われています。
 いま、食事や食生活を見直す「食育」への注目が高まっています。
 学童期からよく噛んで食べるという習慣は、肥満予防だけでなく、五感(聴覚、臭覚、視覚、味覚、触覚)を通じて味わい、好ましくない食生活や生活習慣を改善することにもつながる、食育の一環としてもたいへん重要なことです。
 ひとくち30回、大人も子どもも箸をおいてよく噛もう!

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