枚方市の「宮園歯科日記」

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カテゴリ: 食育

 むし歯菌は砂糖をエサにして酸を作り、歯を溶かします。キシリトールやソルビトール、マルチトールなどの代用甘味料はエサにならないため、むし歯のリスクを減らすことが期待できます。
  しかし、いくら虫歯を予防するといっても、食事に含まれる砂糖をすべて代用甘味料で賄うのは現実的ではありません。できることは間食を代用甘味料のお菓子に切り替えるぐらいであり、予防効果は限定的と言えます。
  また、代用甘味料の商品でも、砂糖の含有量が0.5%0未満なら「ノンシュガー」「シュガーレス」「無糖」などと表示することができます。砂糖が微量でも含まれればむし歯菌のエサになってしまいます。
  代用甘味料の効果を過信せず、適切に活用してくださいね。

 食事の時の噛む回数の目安は一口につき30回と言われています。(厚労省『噛ミング30』)。しっかり噛んで食べれば、お口の周りの筋肉や骨の正常な発達を促すことができます。また、食物を口の中で細かく砕くことで、胃や腸で消化・吸収しやすくなります。
 しかし、現代の食事はラーメンやパスタ、カレーライス、ハンバーグなど、やわらかくて飲み込みやすいメニューが子どもに人気です。「しっかり噛みなさい」と言われても、そもそも一口30回噛むことが難しい場合が少なくありません。お口の機能を鍛えるには“受難の時代”とも言えるでしょう。
 そんな時は食材や調理法に気を付けてみてはいかがでしょうか。例えば、▽食材は大きめに切る▽根菜を多用する▽歯ごたえが残るよう火を通しすぎないようにする――など、工夫次第で噛む回数を増やすことができます。
 テレビやスマホを見ながらの“ながら食べ”も噛む回数が少なくなる要因の一つです。できる限り食事に集中し、味わって食べてくださいね。

 幼児食とは、幼児が母乳やミルクを卒業し、成長に合わせて食べ物だけで栄養をとる食事のことをいいます。幼児食は、歯の生え方、特に奥歯(第一乳臼歯)の生え方を見ながら進めていきます。
 第一乳臼歯は、1歳4カ月頃から生え始め、上下のかみ合わせが完成するのは1歳8カ月頃だといわれています。
 第一乳臼歯が生えるまでは、歯茎や前歯で食べ物を噛んでいるに過ぎません。この時期に噛みつぶせない固い食べ物を与えると適切な時期に、適切な咀嚼機能を得ることが出来なくなる可能性があります。その上、噛まない、丸のみする、固いものを嫌う、偏食に育つなど悪習慣に繋がることもあります。特に丸のみで食べる習慣がつくと過食や肥満の原因になるともいわれています。
 幼児期は子どもの咀嚼機能と食習慣を育てる大切な時期です。いろいろな種類の食品を工夫して調理し、豊かな味覚を育みましょう。また、家族で楽しくゆったりと食事することで、よく噛んで楽しく食べる子に育ちます。これが食育の第一歩です。

 昔、舌の味覚分布図というのを学校で習いました。
 「甘味」は舌の先端で、「塩味」、「酸味」は舌の側面で、「苦味」は舌の付け根部分でといったように。ところが1990年代に入ってこの説が間違いであったことが証明されました。どうも舌全体で同じように味を感知しているというのです。
 ◇誤解のもと
 つまり「通説として舌の異なる領域で異なる味を感じるといわれているが、味覚特性は舌の全ての領域で同じであり、場所による味覚の偏在はない」ということです。
 誤解のもととなったのは、1901年にドイツ人医師・ヘーニック博士が発表した「味覚分布図」が一般に広まったと考えられています。その後訂正されたのですが、このことは意外と知られていないようです。
 ちなみに「辛味」は痛み刺激で、味覚とは異なります。例えば、唐辛子を食べると辛味成分のカプサイシンが舌や口腔粘膜の痛覚神経を刺激し、「辛味」として感じます。
 ◇基本味と区別
 この痛覚神経は舌や口腔粘膜に限らず全身に分布しており、皮膚や粘膜に唐辛子をこすりつけると赤くなったり発熱したりすることがあるようです。味覚とは別物であるために5基本味(甘味・塩味・苦味・酸味・旨味)とは区別されています。
 「激辛」食品は、冗談ではなく本当にやけどをきたす可能性がありますので注意が必要です。辛い物を食べた時に「口から火を吐く」とのたとえは、あながち大げさな表現ではなかったのですね。

 夏真っ盛り、食欲も少し落ちてきて、素麺や冷麺で食事を済ませていませんか! つるつると流し込む食事は噛む回数が少なくなりがちです。子どもの顎の発育に影響を与え、永久歯の歯並びを悪くする原因になることがあります。
 現代の日本人は、1回の食事で600回ほど噛んでいると言われています。しかし、過去をさかのぼると、弥生時代の人々の噛む回数は約4000回。なんと現代人の6倍も噛んで食事をしていたのです。それは玄米やおこわや乾燥した木の実、干物など、硬くて噛みごたえのある物を食べていたからです。
 時代とともに調理法が発達し、食べ物が軟らかくなって食事時間も短くなりました。最近では、噛まずに「飲むだけで栄養が摂れる」というドリンク剤などもあります。
 よく噛んで食べるということは、顎の発育のみならず、脳の活性化や肥満予防など身体に良い影響がたくさんあります。噛む回数が少ない食事の時は、噛みごたえのあるおかずを一品加えてくださいね。

 むし歯にならない食生活について患者さんにアドバイスしています。一番良くないのはダラダラ食べ。甘いお菓子やアメなど、ついつい手が伸びてしまいます。砂糖が入ったドリンク類も要注意です。
 子どもたちに人気の炭酸飲料は一本(350ml)にスティックシュガー約8本分(24㌘)が入っています。缶コーヒーは微糖でも約6本分(18㌘)にも。いつもお口の中に甘いものがあると、唾液の再石灰化作用も進まず、むし歯になりやすい環境に。
 乳酸飲料や野菜・果物ジュースは体に良いからと常用していませんか。砂糖が添加されていないか注意が必要です。
 ダラダラ食べ・飲みは、むし歯だけでなく、生活習慣病のリスクも高めます。飲食のタイミングはメリハリが大切ですね。

 いつまでも美味しく食事する為にはどうすればよいのでしょうか。血圧を正常範囲に保つ、糖尿病にならないように日頃から食生活に気をつける、運動を行うなどはTVなどでよく聞く話です。では、口の中ではどのような事に注意すれば良いのでしょうか。
 生まれてから成人を迎えるまでにムシ歯になる方が多いと思います。これらは食生活の乱れ、不適切なブラッシングから起こりやすいです。乳酸飲料は腸によくても歯にはよくないです。炭酸飲料は言わずもがなです。しかし、これらも摂り方を工夫することで、歯にあまり影響を及ぼさなくなります。口の中のPHはほぼ中性です。飲み喰いすると、酸性に傾きます。その後は、数時間かけて中性近くに戻り、1日3食と1回の間食の生活なら口の中の中性は保たれます。それ以上の摂取頻度になるとムシ歯になりやすくなります。
 歯が沢山残れば長寿に差がでるという報告もあります。食生活を見直して健康に。

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