歯の痛みを訴えて受診する患者さん。その多くが、むし歯や歯周病など歯や歯周組織に原因があることから「歯原性歯痛」に分類されます。歯原性歯痛は、歯科で治療することができます。
 しかし、歯の痛みの中には歯や歯周組織以外に痛みの原因がある場合もあります。「非歯原性歯痛」と呼ばれ、顔面の筋肉や、顔面を通る神経、片頭痛など原因は様々です。なかにはうつ病など精神疾患に起因する場合も…。狭心症や心筋梗塞など心疾患が原因となっているケースもあり、歯科医院で診断が難しいことも少なくありません。
 非歯原性歯痛の発生頻度を調べた2005年の研究によると、歯科の外来患者の6%で非歯原性歯痛が疑われたと報告されています。近年では原因不明の歯痛を治療するため、歯科と医科が連携して診断する大学病院や施設もあります。