子どもの歯並びが悪いのは遺伝が原因ーー。そう思っていませんか。実は、歯並びは遺伝よりも日常的な癖が影響していることが少なくありません。
 例えば、噛み方や頬づえ、指しゃぶり、舌の位置などが歯並びに影響します。片方の奥歯でばかり噛んでいたり、頬づえを付いたりしていると、あごの形が左右非対称に成長してしまいます。あごが健全に発達しなければ、歯並びが悪くなってしまいます。
 4~5歳を過ぎても指しゃぶりを続けていると、上下の前歯の間にすき間ができ、「出っ歯」になる可能性があります。口を閉じている時、舌が上顎ではなく前歯の内側に付いている場合は要注意。舌の力で少しずつ前歯が押し出されてしまいます。
 歯並びの悪化は見た目の問題だけでなく、むし歯のリスクが高まります。噛み合わせが悪くて食物を十分に咀嚼できなければ、消化吸収や栄養摂取が妨げられ、子どもの成長や健康に悪影響を及ぼします。 
 きれいな歯並びになるため、子どもの癖を注意深く観察してください。そして、食事ではしっかり噛む習慣を付けてあごの成長を促してくださいね。