枚方市の「宮園歯科日記」

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カテゴリ: 小児歯科

 子どもの歯並びが悪いのは遺伝が原因ーー。そう思っていませんか。実は、歯並びは遺伝よりも日常的な癖が影響していることが少なくありません。
 例えば、噛み方や頬づえ、指しゃぶり、舌の位置などが歯並びに影響します。片方の奥歯でばかり噛んでいたり、頬づえを付いたりしていると、あごの形が左右非対称に成長してしまいます。あごが健全に発達しなければ、歯並びが悪くなってしまいます。
 4~5歳を過ぎても指しゃぶりを続けていると、上下の前歯の間にすき間ができ、「出っ歯」になる可能性があります。口を閉じている時、舌が上顎ではなく前歯の内側に付いている場合は要注意。舌の力で少しずつ前歯が押し出されてしまいます。
 歯並びの悪化は見た目の問題だけでなく、むし歯のリスクが高まります。噛み合わせが悪くて食物を十分に咀嚼できなければ、消化吸収や栄養摂取が妨げられ、子どもの成長や健康に悪影響を及ぼします。 
 きれいな歯並びになるため、子どもの癖を注意深く観察してください。そして、食事ではしっかり噛む習慣を付けてあごの成長を促してくださいね。

 個人差はありますが、子どもの歯は6~12歳頃にかけて永久歯に生え変わります。生え始めたばかりの歯は、①やわらかく酸に溶けやすい②表面がざらざらで汚れが付きやすい――ため、むし歯になりやすい状態です。注意して口腔ケアをしてください。
 ◇むし歯ができやすい場所
 特に、奥歯の噛み合わせ部分の溝や奥歯と奥歯の間はむし歯ができやすい場所です。また、奥歯の頬側面の溝も要注意。磨きやすい部分ですが、生え始めは歯肉に覆われており、側面の溝の部分にプラークがたまりやすくなっています。
 ◇6割が下顎の第1大臼歯
 政府の調査では、小学6年生のむし歯の6割は下顎の第1大臼歯に発生しています。第1大臼歯は6歳頃に生え始めます。口の中をのぞいて白い歯が見えてきたら、丁寧に仕上げ磨きをしてくださいね。歯科医院でフッ化物塗布をしてもらうことも虫歯予防に効果的です。
 大人になっても歯を失わないために、生え変わり時期からしっかりと口腔ケアをすることが大切です。

 子どもの歯は、お母さんのお腹にいる時から既に成長を始め、生まれてからは、乳歯だけでなく永久歯も生える準備を始めています。離乳食が始まる頃には、乳歯の後に生えてくる永久歯のことも考えた食事がしたいですね。永久歯の外側のエナメル質が作られる時期は、カルシウムやリン、ビタミンDが必要ですから、牛乳や小魚、豆類、ひじき、シイタケ類などを摂り入れましょう。
 子どもの歯を守るために砂糖の量だけでなく、酸性にも要注意。酸で歯が溶けてしまうことがあるからです。酸性はPh(ペーハー)値で示されます。7が中性で数字が小さい程、酸性が高くなります。例えば、飲み物ならコーラ(2.2)、スポーツドリンク(3.5)、野菜ジュース(3.9)なども酸性です。食べ物ならレモン(2)やリンゴ(3)なども酸性が高くなっています。ふつうは唾液で中和されますが、摂取頻度が多いと歯に良くありません。
 飲食後は、出来るだけ丁寧にお口の中を清掃することが大切です。

 子どもの歯並びは親の心配事の一つです。成長に影響を及ぼす場合もあるので気になる時は専門家に相談することが大切です。
 ◇歯並びは遺伝!?
 歯並びは親から子へと遺伝する場合もありますが、必ずしも親子で同じ歯並びになるわけではありません。遺伝以上に食生活を中心とする乳幼児期の生活習慣や姿勢、指しゃぶりや頬づえといった癖など後天的な要素が大きいと言われています。
 ◇健康への影響
 歯並びが悪いと歯みがきが難しく、むし歯や歯周病になりやすい状況になります。かみ合わせが悪いことで咀嚼がうまくできずに胃腸に負担がかかったり、特定の発音がしにくい状態になることがあります。その他にも「見た目がよくないから」と歯を見せて笑うことを控えるなど心理的な影響もあります。
 ◇矯正治療
 歯列矯正はその症状によって、治療の開始時期が異なります。子どもの発達に影響がでる症状があるなど乳歯期の治療が必要となる場合もありますので、気になる場合は歯が生えそろった3歳以降に歯科医師に相談してみましょう。

 子どもは、よく転びます。つまずいて勢いよく転倒し、歯をケガした時はできるだけ早く歯科を受診してください。
 ◇歯がぐらついたり、歯肉に埋まった場合
 そのままの状態で受診してください。歯の根っこなどに問題がなければ、元の位置に戻して隣の歯と固定し、歯の組織が回復するのを待ちます。
 ◇歯が抜け落ちた場合
 歯の状態によっては元に戻せる可能性があります。再植には歯の根っこを清潔に保ち、乾燥させないことが大切です。薬局で売っている歯牙保存液や、牛乳(牛乳アレルギーの人は禁止)、生理食塩水に浸した状態で、早急に受診してください。
 ◇歯が欠けたり、折れた場合
 歯の神経に影響がなければ欠けたところを接着して治します。欠けた部分が見つからない場合でも、詰め物や被せ物で修復することができます。
 歯が大きく折れて神経がむき出しになっている時は、神経の一部を取り除いて歯の形を修復します。また、抜け落ちた時と同様に元に戻せることもありますので、歯の破片は保存液などに浸けて持ってきてください。
 一見、痛みが無く、無事なようでも、歯の根っこや神経にダメージを受けている場合もあります。自己判断せず、できるだけ歯科医院を受診するようにしてください。

 ◇下の前歯が生える頃
 健康な歯で一生を過ごさせたいと思うのは多くの親の願いです。むし歯予防は、下の前歯が生え始める生後6カ月ごろがはじめ時です。といっても、乳児用歯ブラシはまだ必要はありません。湿らせたガーゼを指に巻いて、優しくぬぐうだけで大丈夫です。乳児期はたっぷりのよだれが自浄作用で歯を守ってくれるので、神経質になることはありません。
 ◇スキンシップ感覚で
 離乳食の後や就寝前に膝の上に仰向けにして、遊びやスキンシップの一つとして取り入れることがポイントです。
 ただし、嫌がるようなら無理に磨こうとせず、口の周りをきれいにするなど慣らすことから始めます。仰向けを嫌がるようなら、後ろから横抱きなど赤ちゃんが好む体勢を試してみます。一番大事なことは、磨いたあとは笑顔でいっぱい褒めることです。
 ガーゼから歯ブラシへの切り替えは、奥歯が生える頃が目安。スポーツドリンクやジュース(果汁100%でも)など砂糖・糖分が多いドリンクはむし歯の原因になります。乳児期には控えましょう。

 幼児食とは、幼児が母乳やミルクを卒業し、成長に合わせて食べ物だけで栄養をとる食事のことをいいます。幼児食は、歯の生え方、特に奥歯(第一乳臼歯)の生え方を見ながら進めていきます。
 第一乳臼歯は、1歳4カ月頃から生え始め、上下のかみ合わせが完成するのは1歳8カ月頃だといわれています。
 第一乳臼歯が生えるまでは、歯茎や前歯で食べ物を噛んでいるに過ぎません。この時期に噛みつぶせない固い食べ物を与えると適切な時期に、適切な咀嚼機能を得ることが出来なくなる可能性があります。その上、噛まない、丸のみする、固いものを嫌う、偏食に育つなど悪習慣に繋がることもあります。特に丸のみで食べる習慣がつくと過食や肥満の原因になるともいわれています。
 幼児期は子どもの咀嚼機能と食習慣を育てる大切な時期です。いろいろな種類の食品を工夫して調理し、豊かな味覚を育みましょう。また、家族で楽しくゆったりと食事することで、よく噛んで楽しく食べる子に育ちます。これが食育の第一歩です。

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