枚方市の「宮園歯科日記」

大阪 枚方市の歯医者さん 【宮園歯科医院】 より、 「当院のお知らせ」 と 「歯科の耳寄り情報」 をお届けします。

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カテゴリ: 予防歯科

 むし歯の予防に「フッ素」が役立つことがよく知られるようになりました。
 歯科で使われる場合、正式には「フッ化物」と呼ばれます。フッ化物の未利用はカリエスリスクの一つにもなるほど、その予防効果は明らかになっています。
 ◇むし歯を予防する3つの作用
 ①再石灰化を促進し歯を修復
  歯の表面のエナメル質に付着したむし歯菌が作り出した酸によって歯からはカルシウムなどが溶けだします。フッ化物は唾液に含まれるカルシウムやリンなどの歯への再沈着を促します。
 ②歯を強くする
  エナメル質を作るカルシウムと結びつくことで歯質を強くして、酸に溶けにくい歯にします。
 ③細菌の酸産生を押さえます
  ブラッシングで落とせなかったプラークに棲む、むし歯細菌の活動を抑えて、酸が作られるのを防ぎます。
 ◇利用方法
 ▽フッ化物配合歯みがき剤
  フッ化物配合歯みがき剤を使用することで、歯磨き中や歯みがき後に口の中に残ったフッ化物が歯の表面に作用します。
 ▽フッ化物洗口
  フッ化物洗口液で口をぶくぶくすすぐ方法です。一般の薬局でも高濃度の液の販売が認められるようになりました。
 ▽フッ化物塗布
  歯科医院などで高濃度のフッ化物を直接、歯に塗る方法です。年に数回行うと有効です。乳幼児の生えたての歯は未成熟でむし歯になりやすいため、特に効果的。

 歯は何のために磨くかを思い出さなければ答えられないでしょう。むし歯・歯周病を引き起こす主原因は口の中にいつもいる細菌です。原因となる細菌を減らすために歯ブラシは素晴らしい道具です。
 細菌が多い時に歯みがきをすれば良いですね。正解は起床時に歯みがきをするです。
 もちろん寝る前にも丁寧にしないと寝ている間に細菌が急激に増えます。口と舌が動かないために唾液があまり出ず、増える条件が整っています。起床時には口中にうんち10g分の細菌がいます。そのまま飲食すれば全て体の中に入ってきます。食べたら磨こうと良く見聞きしますが、飲食後にあわブクにして歯みがきすると、せっかくの唾液が失われてしまいます。唾液を失うことは避けるべきです。飲食後は食べカス飲みカスが一杯ですが、すぐに水でゆすいで飲み込めば、たちまちキレイになります。食べたら、磨くをしたければ、何もつけないか発泡剤フリー・アルコールフリーの歯磨き剤にしましょう。

 最近では多くの、歯みがき剤に配合されるようになった「フッ化物」(フッ素)。自然界にも存在する元素の一つですが、その働きを知らない方も多いのではないでしょうか。フッ化物のむし歯を防ぐ効果を紹介します。
 ◇フッ化物の3つの効果
 ・歯を強くする
  歯の表面部分(エナメル質)に取り込まれたフッ化物は歯質を強化し酸に強くします。 
 ・歯を修復する
  酸によって溶かされたエナメル質が修復のためカルシウムなどの成分と結びつく働きを促進します。
 ・むし歯の働きを抑える
  フッ化物がむし歯菌の活動をじゃまして、酸を作る働きを抑えます。
 フッ化物の利用方法として、①フッ化物を歯に塗る、②フッ化物で口を洗う、③フッ化物入り歯磨き剤を使うなどが一般的です。

 ◇下の前歯が生える頃
 健康な歯で一生を過ごさせたいと思うのは多くの親の願いです。むし歯予防は、下の前歯が生え始める生後6カ月ごろがはじめ時です。といっても、乳児用歯ブラシはまだ必要はありません。湿らせたガーゼを指に巻いて、優しくぬぐうだけで大丈夫です。乳児期はたっぷりのよだれが自浄作用で歯を守ってくれるので、神経質になることはありません。
 ◇スキンシップ感覚で
 離乳食の後や就寝前に膝の上に仰向けにして、遊びやスキンシップの一つとして取り入れることがポイントです。
 ただし、嫌がるようなら無理に磨こうとせず、口の周りをきれいにするなど慣らすことから始めます。仰向けを嫌がるようなら、後ろから横抱きなど赤ちゃんが好む体勢を試してみます。一番大事なことは、磨いたあとは笑顔でいっぱい褒めることです。
 ガーゼから歯ブラシへの切り替えは、奥歯が生える頃が目安。スポーツドリンクやジュース(果汁100%でも)など砂糖・糖分が多いドリンクはむし歯の原因になります。乳児期には控えましょう。

 手動vs電動 歯みがきをめぐる仁義なきたたかい
 一体、どちらが主導権を握るのか――。
 スポーツの実況ではありません。実はこれ、毎日の口腔ケアに欠かせない歯ブラシの話。ドラッグストアでは様ざまな種類の歯ブラシが棚いっぱいに並んでいます。一方、家電量販店では最新式の電動歯ブラシがこちらもズラリ。歯みがきをめぐって手動と電動の争いが続いています。
 現在のシェアは手動が8割、電動が2割と言われており、電動を使う人が少しずつ増えている傾向にあります。
 手動のメリットは何と言っても価格が安いこと。毛先が傷んでも気軽に交換できます。種類も豊富で、自分に合ったサイズや硬さを選べます。その一方で、小刻みに動かさなければうまく磨けません。
 電動は高価で種類が少ない反面、手動と比べて短い時間で磨くことができます。あまり腕を動かす必要がないので楽にブラッシングができます。
 それでは、しっかり磨けるのはどちらでしょうか。歯ブラシの違いによるプラーク(歯垢)の除去率を調べた研究では、手動も電動も除去率は6~7割ほどで両方とも磨き残しがありました。ブラッシング能力に大差はない、というのが実情のようです。
 磨き残しの大きな原因は歯ブラシの毛先がプラークに届いていないことにあります。
 プラークは歯と歯の間、歯と歯肉の境目などに多く潜んでいます。歯の表面を磨くだけでは取り除けません。意識的にプラークがあるところに歯ブラシを当てる必要があります。
 歯ブラシが届かない部分は歯間ブラシやデンタルフロス(糸ようじ)の出番。しっかり取り除けば、歯垢除去率を9割にまで高めることができます。
 残りの1割のプラークの除去はセルフケアでは困難です。手動・電動にかかわらず、歯科医院で定期的に口腔ケアを受けてくださいね。

 歯医者に行きたくない理由は何ですか?機械の音が苦手、削る振動が嫌、麻酔の針が痛い、治療がこわい、痛いイメージなど様々と思います。
 しかし、これらは全て病気になってから行く為、歯医者が仕方なくする行為ですよね?
 もし、あなたが全くムシ歯のない状態で歯肉炎のチェックをするだけなら麻酔の注射も削る振動も痛みもないですよね。トラブルが起こった時に受診をするからこわい思いをするのです。削れば歯は弱くなります。削らないようにどのように歯医者とつきあうか?どのような治療方法を選ぶかが大切です。
 口腔衛生学会の調べでは保険の治療で最初にムシ歯を削り始めて18年で1本の歯を失い、銀のつめ物をすると5年後には次のムシ歯ができ、神経をとって銀歯にすると7年後には抜歯になるらしいです。ムシ歯は歯の位置や顎の上下の位置関係、食生活、生活習慣、咬合力など色々な要因があります。
 歯を消費する事に時間とお金を使うか、歯を残す事に使うか、どちらを選びますか?

 むし歯の原因となる「ミュータンス菌」。実は、生まれたばかりの乳児は感染していません。ミュータンス菌は家族などを通じて、乳児の口の中に「侵入」することで感染します。
◇侵入・定着・増殖
 侵入したミュータンス菌は歯にたどり着き、砂糖をエサに住みつきます(定着)。菌が「増殖」すると、いよいよ「感染」となるのです。
 箸やスプーンの共有に神経質になる親御さんも増えています。とはいえ侵入しただけで、すぐにむし歯にはなるわけではありません。口の中で増えた菌が砂糖をエサに酸を作り出し、歯を溶かしてむし歯を引き起こすからです。定着・増殖を防ぐことがむし歯予防のポイントになります。
 ミュータンス菌をアリに置き換えて考えてみるとわかりやすいかもしれません。砂糖を置いておくとアリがよってきますが、砂糖がなければアリはどこかへ行ってしまいます。口の中に砂糖があるとミュータンス菌が定着・増殖しやすい環境になるのです。むし歯は「砂糖ありき」といえます。
 定着と増殖は、砂糖の摂取頻度といった食生活が大きく関係しています。むし歯は“感染症”であると同時に、“生活習慣病”ともいえるのです。
◇危ない間食3回以上
 幼稚園児を対象にした生活習慣の調査では、むし歯のない園児の70%にはミュータンス菌が存在しないことが明らかになった一方で、間食を1日3回以上とる園児はミュータンス菌の存在と関係が強いことが明らかに。甘いおやつを食べ始めた時期が遅い子は、関係が弱いという結果も。
 侵入を防ぐのも大事ですが、砂糖を減らしてミュータンス菌の住み心地を悪くするのも効果的のようです。
参考文献:岡崎好秀(2017)『世界最強の歯科保健指導上巻』クインテッセンス出版

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