歯ぐき沿いがすり減って、冷たいものがしみたり不快症状が出たりすることがあります。通常、不適切な歯みがきの仕方(過度のブラッシングや横みがき等)が原因と考えられますが、”アブフラクション”と呼ばれる「噛み合わせが原因の歯質の欠損」が原因の場合もあります。
アブフラクションは、側方または斜めに歯と歯が強く噛み合うことで歯に屈曲もしくは歪みの力を生じ、歯ぐき沿いのエナメル質や象牙質の硬い組織が少しずつかけることでおこります。
 さらに、欠けた箇所が強いブラッシングや食品などの酸により溶かされたことで、特徴的な”くさび状欠損”が生じ、重症化することも。
 睡眠中の歯ぎしり、特に歯を横や上下に動かしたときに強く接触することも、アブフラクションの大きな要因の
ひとつです。特定の歯に力がかかり過ぎる場合は、睡眠中のマウスピースをお勧めすることもあります。
 アブフラクションを避けるためには、食べるとき以外は、唇を閉じていても上下の歯が接触しないように心掛け、歯ぎしり、噛みしめ、くいしばりに注意をすることが大切です。ストレスは歯ぎしりや食いしばりの原因とも言われていますので、日常のストレス対策も改善策の一つかもしれません。
 もし、歯ぐき沿いを爪で触って引っかかったり、しみて痛むという症状があれば、相談してみて下さい。