命に関わる歯周病
 皆さんは、世界で最も多い病気をご存知でしょうか。それは歯周病です。多くの人が感染している歯周病ですが、実は、様々な疾患と関連があることが最近の研究で分かってきています。
 ◇炎症物質を作成
 有名なところでは、歯周病と糖尿病の関係です。歯周病が糖尿病の悪化の原因になることは、皆さんもどこかで聞いたことがあるのではないでしょうか。糖尿病とは、体内のインスリンの分泌量が減ったり、作用が低下することで血液中のブドウ糖が増えてしまう病気です。歯周病によって炎症を起こした歯肉では、絶えず炎症性物質が作られます。この炎症性物質がインスリンの作用を低下させてしまうことが分かっています。
 このほか、歯周病が誤嚥性肺炎や、関節リウマチ、早産、動脈硬化などと関連があると考えられています。最近の研究では、ガンとの関連も報告されているとか。
 ◇妊娠中のリスク
 特に妊娠中は注意が必要です。妊娠性歯周炎という病名があり、歯周病にかかりやすくなるからです。これは妊娠中に増えるホルモンが原因と言われています。歯周病になると血液を介して炎症性物質が全身に運ばれていきます。そのため早産のリスクが7倍に高まると言われています。妊娠中は、いつもより注意して歯みがきを行うなど、歯周病に注意することが大切です。
 もし関連のある病気にかかってしまったら、一度、歯周病の診断や治療のために歯科医院にかかることをおすすめします。また、日頃から歯周病のメインテナンスを定期的に行い、口の中を清潔に保つことが他の病気の予防につながります。